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2023年スタンフォード大学連携科目2(第1回)「スタートアップの始め方と事業戦略: 資金調達にまつわる課題」を開催しました

2023年6月17日(土)、スタンフォード大学SPICE(Stanford Program on International and Cross-Cultural Education)と本学が共同で開発したプログラムSHCPE-2「スタンフォード大学連携科目2(SHCPE: Stanford Hiroshima Collaboration Program on Entrepreneurship)」の第1回目の講義をZoomで開催しました。

各授業では、授業の一週間前にスタンフォード大学の学習管理システム”Canvas”で事前に資料を読み意見を投稿し、前日までにその意見にコメントしあい、意見交流をします。

今回の課題は以下のとおりでした。

【参考資料】

【ディスカッション・トピック】

(1) 自分達の周りにあるスタートアップや新しいビジネスのポジショニングを見回した時に、”The 23 Rules of Storytelling For Fundraising”の記事に述べてある23の項目のうち何が足りていないか、どこを強化したほうがいいか。そして、その理由とは何かを述べてほしい。また、「これは日本の価値観や環境には合わない」というポイントがあったら、理由とともに述べてほしい。

(2) シリコンバレーの起業家は、創造性と「型にはまらない考え方」で数々のイノベーションを生み出してきたが、その多くは多様な価値観やアイディアに触れる環境が背景にあった。参考資料『起業家が「投資調達」で直面する2つの大きな壁』では、「当たり前のギャップ」が事業を特徴づけると述べられている。このギャップに気づく・認識するには、多様な経験や価値観に触れ、自らの視野を広げることが重要になってくる。これを実現し、「自分なりの物差し」を増やしていく手段を述べてほしい。

(3) ゲストの樺山氏に聞きたいことや、クラス中にディスカッションで取り上げたいポイント(興味を持った点、疑問に思った点など)

 

今回のゲスト講師は樺山資正さんで、「スタートアップの始め方と事業戦略: 資金調達にまつわる課題」という講義を行って頂きました。

以下、学生による受講記録です。

学生による受講記録

・ゲスト講師の講義について
 樺山さんが現在の会社を経営されるに至る過程での体験を中心に講義いただいた。講義のポイントとしてはスタートアップの始め方やその資金調達の実践であったが、印象に残ったのは次の3点であった。
 1点目は「コンフォートゾーンから出る」と言われていたこと。SHCPE1の講義でも同じことをおっしゃる講師がおられたが、新しいことを始めるには日常を変化させることが必要で、非常に重要な考えだと感じた。
 2点目はスタートアップ企業はスピード感が全く違うということ。ポイントとなる瞬間を逃しただけで、大きなビジネスチャンスを失ってしまうとの感覚が必要なのではないかと感じた。特に欧米の企業は大企業であっても国内企業とはスピード感が全く違う。
 3点目はシリコンバレーのスタートアップ企業の創業者の55%が移民であるということ。ダイバーシティの時代と言われているがそれは単にいろいろな人が存在しているということではなく、目的意識をもって起業したいと集まった人々にとって国籍は関係なく、何をしたいのか、何をするのかが、人々を結びつけるものなのだと感じた。そのような人たちが世界で最もあつまる場所がシリコンバレーであるため、様々なスタートアップが立ち上がるのだと思う。
 最後に、別の意味で印象に残ったのが、資金集め詐欺で逮捕された女性の話で、米国では何事も行き過ぎるものなのだとも感じた。極端に振れることが強みでもあり、大きな損失にも繋がるリスクもはらんでいるとも感じた。

・ゲスト講師への質問について
 樺山さんに対する積極的な質問がなされ、グループワークに入る前の良い序章になったと感じた。
スタートアップの資金調達の質問について米国では成長から利益の計上が基準になってきている点が印象に残った。ファーストペンギンの質問についてはご自身の体験から自分なりの理想的な投資家を思い描いたうえでまずは理想的でない投資家にプレゼンしてフィードバックを受けた後に本命の投資家に挑むというスタイルを取る点が印象に残った。資金調達に対する工夫やそれにかかる苦労が実感として伝わった。また、苦しい時の克服法について、なかばクレイジーになりやりたいことを仲間と徹底してやるとのお話は参考になった。

・グループワークについて
 事前課題の米国のスタートアップを成功させるための考え方で日本人の価値観や環境に合わないこと、自分なりの物差しを増やしていくという2点についてディスカッションした。自分の仕事を深掘りすることで自分なりの物差しを増やすということについて、深掘りする中で自分の会社の意外な歴史に気付いたりすること、自分が住む地域が好きでそのためにいろいろ力を尽くすことも色々な発見があり、自分なりの物差しを増やすことに繋がるとの話が出た。また日常的な心がけとして、自分の先入観を外すことや非常に日本的ではあるが、柔軟に相手の考え方に合わせることも重要ではないかとの意見があった。
 また先を見据えるためにという議題で、そのために何をするかということについて、色々な人に会うことや昔の友人が現在どのように変化しているかを参考にする、ユーチューブでいろいろな方の話を聞くという話がでた。
 男3名女2名のメンバーで年齢、所属もバラバラのチームであったため、自分が感じたことの無い意見も聞くことができ、それぞれにとって刺激になり、楽しいディスカッションになった。

・全体を通して
 日本ではスタートアップは立ち上がり難いという事実はあると思うが、一方で100年企業も多い。新陳代謝が進み難いとの課題はあるが、落ち着いて仕事する、長く良好な人間関係を維持できるとの利点もあると思う。それらを破壊していくことがコンフォートゾーンから出るということになると思う。このダイナミズムを樺山さんのお話から感じ取ることが出来た。また、このダイナミズムがシリコンバレーの魅力であると思う。この場所に進んで挑む日本人が少なくなったと以前の講義で聞いたが、今回のテーマでもあった日本人の本質的な価値観に合わないところがあるのだとも感じた。古代よりある和を大事に協調し、平等を重んじるところやスピード感にあまり重きを置かれていないところなどが該当するのではないかと感じた。
 世界の最先端の企業が数多く生まれるシリコンバレーを題材に色々なディスカッションをすることは新鮮な体験であり、今後、ビジネスに携わる際にも非常に良い刺激になると思う。このような機会を提供いただき、スムーズな運営を導いていただいた小谷先生に感謝申し上げます。

ゲスト講師について

樺山 資正

AI技術により、スマートフォンで人間のパフォーマンスと健康を改善するリアルタイムのモーショントラッキングと3D分析を提供するUplift Labs (カリフォルニア・パロアルト)の共同創設者兼CEOである。優れたユーザーエクスペリエンス(UX) を提供し、社会に良い影響を与える新しいテクノロジーのスケーリングに力を注いでいる。イノベーションに焦点を当てたグローバル企業でリーダーシップ的役割を果たしてきた。テスラモーターズジャパンの社長として、モデルSの発売と市場拡大戦略を主導した。テスラの前は、アップルジャパンの教育事業部本部長を務め、教育市場でのiPadの発売を担当。それ以前は、7年間にわたりレゴの教育部門のカントリーマネージャーを務め、学校や大学でのレゴのロボットプラットフォームの市場拡大を指揮し、創造性と問題解決能力の開発に焦点を当てたレゴスクールを立ち上げた。

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スタンフォード大学連携科目について(過年度の開講記録もあります)リンク先へ

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