研究科長のメッセージ

米倉誠一郎

誰が何といおうと「現代はビジネスの時代」です。「何を今更そんな古臭いことを」と思う方もいるかもしれません。昨今の環境破壊、格差の拡大、世界各地の紛争拡大などを見ていると、「資本主義は終わった、ビジネスはもう限界だ」などといいたくはなります。しかし、競争と絶えざる創意工夫を通じて、顧客や地域により良いものをより適正な価格で届けようというビジネスの根幹が揺らぐわけがないのです。さらにいえば、これまでの資本主義がもたらした社会課題でさえ、ビジネスを通じて解決できるのが資本主義の本質です。新しい時代の新しい価値創造が求められているのは事実です。そうした時代変化への環境適応能力を最も有しているのもビジネス資本主義の本質なのです。

そう考えると、「広島県民全員がMBAを保持しよう」というメッセージをここに送りたいと思います。ビジネスに従事する人はもちろん、官公庁、医療、学校、農林水産業、NPO、メディアなどに関わるすべての人々にMBA(マスター・オブ・ビジネス・アドミニストレーション)を提供する大学院でありたいと思っています。具体的にいえば、魚屋の店主や店員さん、看護師のみなさん、学校の先生や給食調理員、レモン農家、ままかり漁師さん、など全てのみなさんが絶えざる創意工夫(それこそイノベーション)を続け、投資効率・期間効率を考える土壌を形成したいと考えているのです。

米倉誠一郎

経営管理研究科長

米倉 誠一郎

一橋大学社会学部および経済学部卒業
一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了
ハーバード大学Ph.D.(歴史学)

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