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HBMS特別公開講座「イノベーションはどうやって起こるのか」を開催しました(2026年3月27日(金))

令和8年3月27日(金)、福山商工会議所にて、一橋大学イノベーション研究センターの青島矢一教授を講師にお招きし、HBMS特別公開講座「イノベーションはどうやって起こるのか~日本企業の事例から考える~」を開催いたしました。
本講座は、昨年10月に福山商工会議所内に設置された「SMOフロンティア研究所 備後分室」の活動の一環として開催されたものです。当日は、備後地域の経営者やビジネスリーダー、HBMS生など、多くの方々にご来場いただきました。

 

■第1部:基調講演「日本経済の構造課題とイノベーション」
第1部の基調講演では、青島教授より、現在の日本経済が抱える構造的な課題と、それを打破するためのイノベーションのあり方についてお話しいただきました。
まず、近年の日本企業における最高益が必ずしも将来への投資に繋がりにくい現状について、マクロ経済の視点から鋭い分析が示されました。その背景として、短期的な数字を優先し、未知の領域への挑戦を避けてしまう組織の「同質化」といった課題を指摘されました。
講演の核心として語られたのは、イノベーションを生むための組織文化の重要性です。不確実性を乗り越えるための「心理的安全性」や「多様性」の不可欠さ、さらには周囲を動かすための「強いビジョンやストーリー」の必要性が強調されました。青島教授の力強いメッセージに、参加者は深く頷きながら聞き入っていました。

 

■第2部:対談セッション「これからの備後におけるイノベーション」
第2部では、米倉研究科長も加わり、より実践的で軽妙な議論が展開されました。
・備後の中小企業の可能性
伝統的な技術を維持する力(実行力)と、外部の新しい知見(アイデア)をどう組み合わせるか。地方のオーナー経営者だからこそできる「長期的視点での決断」の価値について議論されました。
・外との繋がりの重要性
自社内や馴染みの関係だけに閉じこもるのではなく、外部との「緩やかなネットワーク(弱い紐帯)」を意識的に作ることで、思わぬイノベーションの種が見つかるという示唆がなされました。

質疑応答では、参加者から「組織文化をどう変えるべきか」といった熱心な質問が相次ぎ、予定時間を超えるほどの盛り上がりを見せました。

 

参加者の声

株式会社 鞆スコレ・コーポレーション:村上 達彦(HBMS 9期生)

イノベーションは効率化の延長ではなく、多様性や「弱い紐帯」による知識創造と心理的安全性から生まれると理解した。初期段階では経済合理性のみに依拠せず、ビジョンやストーリーによる創造的正当化で資源を動員する重要性が印象に残った。

寺尾健太(HBMS 10期生)

収益性とイノベーションの両立という矛盾を解くことが経営の本質だという指摘が印象的だった。今治タオルの事例から、弱い紐帯による外部との接続と、強い紐帯による内部結束の組み合わせが重要だと学んだ。中小企業も強みを活かすことで革新の可能性があると確信した。

開催概要

テーマ:イノベーションはどうやって起こるのか~日本企業の事例から考える~
日時:2026年3月27日(金)16:00~18:00
場所:福山商工会議所 1階 102会議室
講師:一橋大学 イノベーション研究センター教授 青島 矢一 氏
モデレーター:HBMS研究科長 米倉 誠一郎 教授

【講師】一橋大学 イノベーション研究センター教授 青島 矢一(あおしま やいち)
(略歴)
1987年一橋大学商学部卒業。1989年同大学大学院商学研究科修士課程修了。
1996年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院博士課程修了。Ph.D.(経営学)取得。
一橋大学産業経営研究所専任講師を経て、1999年一橋大学イノベーション研究センター助教授、2007年同准教授を経て、2012年3月より現職。専門はイノベーションのマネジメント。これまで、イノベーション過程における資源動員の正当化プロセスや、技術・産業・企業能力の共進化メカニズムに注目して、エレクトロニクス産業や先端材料産業、環境・エネルギー産業を含む様々な企業の事例分析を行ってきた。近年は、大企業とスタートアップ企業のコラボレーションによるイノベーション創造の可能性について研究を行っている。
(著書)
『経営学入門』(東洋経済新報社,2022)等

【モデレーター】HBMS研究科長 米倉 誠一郎(よねくら せいいちろう)先生
(略歴)
一橋大学 名誉教授/デジタルハリウッド大学大学院 特命教授/京都橘大学 特任教授/
世界元気塾 塾長/公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会 会長

 

 

今年度最後となった本講座は、地方から日本経済をどう活性化させていくかという大きな視点と、明日からの経営のヒントが共有された貴重な時間となりました。
HBMSおよびSMOフロンティア研究所は、今後も各地域での学びと交流の場を積極的に発信してまいります。

 

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