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2023年度スタンフォード大学連携科目2(第2回) “The Journey with A Startup” を開催しました
2023年7月1日(土)、スタンフォード大学SPICE(Stanford Program on International and Cross-Cultural Education)と本学が共同で開発したプログラムSHCPE-2「スタンフォード大学連携科目2(SHCPE: Stanford Hiroshima Collaboration Program on Entrepreneurship)」の第2回目の講義をZoomで開催しました。
各授業では、授業の一週間前にスタンフォード大学の学習管理システム”Canvas”で事前に資料を読み意見を投稿し、前日までにその意見にコメントしあい、意見交流をします。
今回の課題は以下のとおりでした。
【参考資料】
- なぜスタートアップは企業文化を重視するのか
- スタートアップにミッション・ビジョンは必要!作り方、事例
- A Startup’s Guide To Building A Positive Company Culture (英文)
- 日本語で読みたい方は、和訳バージョン(Google Translate)がこちらからアクセスできます
- EnChannel Medical Co., Ltd.: Introduction(Optional & Reference)
【ディスカッション・トピック】
⑴ なぜ企業や組織にミッションやビジョンが必要なのか、また特にスタートアップにそれらが重要である理由はなにか。また、自分の周りの企業でミッションやビジョンが欠如あるいは明確でないとこから具体的にどのような問題が起こっているか考察してみよう。
⑵ ポジティブな企業文化を育成し、組織のミッションやビジョン、「共通の価値観(コア・バリュー)」を浸透させる為に、企業のリーダーやマネージャーは日々どのようなことができるだろうか。また、社員の目的意識とエンゲージメントを促進するための効果的な戦略はなんだろうか。自らの経験を踏まえつつ自由に書き込んでほしい。自分の周りでの成功例などがあれば、具体的に述べてほしい。
(3) ゲストのZhu氏に聞きたいことや、クラス中にディスカッションで取り上げたいポイント(興味を持った点、疑問に思った点など)
今回のゲスト講師はMin Zhuさんで、”The Journey with A Startup” という講義を行って頂きました。
英語での講演だったため、同時通訳を介しての講義でした。
以下、学生による受講記録です。
学生による受講記録
ご講演された Min Zhu さんは、アキュタス・メディカル社に 8 年間勤務され、アルゴリズム担当ディレクターとして、3D ナビゲーションシステム、3D マッピングシステム、アブレーション技術を研究・開発し、現在 EnChannel という医療系スタープアップの CTO(最高技術責任者)として活躍されている。本日の講演では、スタートアップに大切なこと、ミッションやビジョンなどについてお話しいただいた。
Zhu さんはスタートアップに大切なものは「3つのタイミング」であると述べられた。その3つとは、①市場、②技術発展、③投資環境である。①市場については、急速な市場の成長があるかどうか、世界的な需要も含めて、市場の進展を見極めなければならない。②技術発展としては、技術革新が行われている分野(新たなビジネスが創造される分野)を見極めなければならない。③投資環境については、積極的な投資が行われる環境がなければ、資金を必要とする新しいチャレンジに取り組むことが難しく、スタートアップを発展させることは難しい。アメリカのミネソタ・ボストン・カリフォルニアには医療系の優秀な人材が集中しており、そのような人材が育つ環境も含めて、投資環境が整っているかを考慮する必要がある。以上3つのタイミングを見極めることが、スタートアップには必要不可欠であると仰っていた。
ミッション・ビジョンについては、共感してもらえる大切な思いや、北極星のような遠くにある目指すべき目標を定めて、挑戦を続けるべきであると述べられていた。ミッション・ビジョンに共感した人がスタートアップに入社する。入社後、ミッション・ビジョンを浸透させるために、CEO や自らが他のメンバーのあるべき姿を映し出す鏡のような存在になれるように、自分の行動を見つめ直し、体現する必要があると仰っていた。何かしたい、何か創りたいという情熱を持った人はたくさんいるが、その根底となるミッション・ビジョンの共有がなければ、チームが1つになることはできない。
グループディスカッションでは、「ミッション・ビジョンは顧客によって規定されるのではないか?」「ミッション・ビジョンを浸透させるリーダーシップとは?」などについて、メンバーで議論した。
今回の Zhu さんの講演で「自分の振る舞いが従業員に影響を与える。従業員に同じことをしなさいというのなら、まずは自分が理想的な姿を体現しなければならない。」という発言が最も印象的だった。この言葉が自分の職場や家庭での振る舞いを見直す1つの契機となった。現在勤務している職場で同僚や上司に理想的な姿を求めていたが、まずは自らが理想的な姿を体現しなければならない。この姿勢は職場だけでなく、友人関係や家庭環境においても同様のことが言えるのではないかと感じた。スタートアップでミッション・ビジョンを掲げ、それらを自ら体現する Zhu さんはとても説得力があり、今回の講演で多くのことを学ばせていただいた。
ゲスト講師について
Min Zhu
Dr. Min Zhu has worked at Acutus Medical Inc. for 8 years. As the Director of Algorithm, she led the entire algorithm team to support the R&D for 3D navigation system, 3D mapping system and ablation technologies. Her experiences include: Developed the 3D Cardiac Non-contact Mapping using Dipole/Charge Density; Developed the SuperMap to map AT/AFL with high automation and high precision using Non-contact Mapping; and Leading development efforts for magnetic and impedance based cardiac navigation and tracking algorithms and Geometry build algorithms from contact and ultrasound point clouds.
Dr. Zhu received her PhD in Electrical and Computer Engineering from University of Oklahoma, USA, MS in Computational Mathematics and BS in Applied Mathematics from Zhejiang University, China. Dr. Zhu has published more than 21 SCI papers and 12 major patents in the fields of Neuroimaging, Inverse algorithms, Sparse Source Imaging and Cardiac Mapping.
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スタンフォード大学連携科目について(過年度の開講記録もあります) | リンク先へ |
第1回「スタートアップの始め方と事業戦略: 資金調達にまつわる課題」(2023年6/17) | リンク先へ |