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2022年度スタンフォード大学連携科目(第7回)「人材・人事制度」を開催しました

2022年7月17日(土)、スタンフォード大学SPICE(Stanford Program on International and Cross-Cultural Education)と本学が共同で開発したプログラム「スタンフォード大学連携科目(SHCPE: Stanford Hiroshima Collaboration Program on Entrepreneurship)」の第7回目の講義をZoomで開催しました。

各授業では、授業の一週間前にスタンフォード大学の学習管理システム”Canvas”で事前に資料を読み意見を投稿し、前日までにその意見にコメントしあい、意見交流をします。

今回の資料は以下の3つで、

 

ディスカッショントピックは以下の3点でした。

⑴ ここ数年ほど日本でもD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が組織成功の鍵を握るとして注目されているが、それはなぜだろうか。D&Iを経営戦略として取り入れていくためには、組織においてどのような取り組みが必要か。また、多様性の確保に向けて優れた人材を獲得・維持するために必要な採用戦略について述べよ。

⑵ 日本の女性管理職の割合は、世界と比較すると低い水準にあり、管理職の女性比率向上を目指す政策が必要とされている。マッキンゼー社の記事「より多くの日本の女性リーダーの躍進を目指して」では、以下の4つの取り組みが企業改革に重要だとして「インフルエンスモデル」が紹介されている:①ジェンダー・ダイバーシティの重要性の周知徹底、②経営管理の強化、③ロールモデルの強化、④昇進意向を引き出すプログラムや現管理職向けのトレーニング導入。自分の周りでは、このような問題意識があるだろうか。また、実際にこのような取り組みが行われているだろうか。自らの経験を踏まえてつつ述べよ。

(3) ゲストのタッソーネさんに聞きたいことや、クラス中にディスカッションで取り上げたいポイント(興味を持った点、疑問に思った点など)

 

今回のゲストのタッソーネ登志子さんは、米系スタートアップでHRコーディネーターとして採用、人材評価、給与管理など人事業務を経験されたのち、現在はVaco社で多国籍チームをマネジメントされている方です。
また、後半は、叡啓大学瀬古素子准教授をお迎えし、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)についてレクチャー頂いた後、グループに分かれて、D&I人事を速やかに実施するための包括的な戦略についてディスカッションを行いました。

 

講演では、米国と日本のHRの違い、D&Iがもたらす価値、多様な人材が活躍できる組織を目指すための戦略、日本の女性リーダーの推進を目指すための戦略の4点についてお話し頂きました。

米国と日本のHRの違いにおいては、米国ではジョブディスクリプションをベースに採用が行われること、人材流動性が高いこと、日本では人事部が人事権を持っていることが多いが、米国ではマネージャーが人事権を持っているなど双方比較と、ジョブディスクリプション、Equal Employment Opportunityについてお話し頂きました。
D&Iがもたらす価値においては、財務パフォーマンスの向上、均質化(グループシンキング)リスクの回避、イノベーション創出の促進、人材の確保及び定着について具体的なデータをもとにお話し頂きました。
多様な人材が活躍できる組織を目指すための戦略としては、評価の公平性が保たれていることを大前提として、職務内容・役割の明確化とそれに伴った人材評価と給与決定、適材適所の人材採用、多様性の尊重と能力を活かしあう文化浸透というダイバーシティを成立させるための人事に加えて、その具体的な方法についてお話し頂きました。
日本の女性リーダーの推進を目指すための戦略については、男女の区別なく活躍し続けられる職場づくりと現管理職層向けトレーニングの導入、女性の経験する悩みや不安のサポートの必要性等具体的にお話頂きました。

 

瀬古素子先生からは、D&Iについて、ESG投資の拡大について、LGBTQ+マーケットについてレクチャーを頂きました。
その上で、具体的な企業情報を基に、D&I人事を速やかに実施するための包括的な戦略について、短期~中期~長期にどのような人事を行うかをテーマにディスカッションと共有を行いました。

D&Iについて、組織が取り組むべき必要と意義がある事について学び、また、ディスカッションを通じて具体的にどのような取り組みを行っていく必要があるのかを考えたことにより、理解が深まり、自分事としてとらえる一歩となった講義でした。

 

次回は7月30日で、ゲストスピーカーに石井 莉咲さんを迎え「日本から進出する企業サポート+リスクマネジメント」という題目で講演を行っていただきます。

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